『なまくら』野間児童文芸賞受賞作品「7行」読後感

近くの小さな書店に注文していた『なまくら』吉橋通夫著(講談社)を5日に取りに行った。
(大型書店で衝動買いする事もあるが敢えて小さい書店で注文する派。いつも京都に行くと立ち寄りたくなる、とある小さな書店もある)

帯には『時代小説の珠玉の短編集・・・。京の路地裏に佇む7人の少年達・・・。』
歴史小説には消極的な私が、家に着くや否や一気読了。
丹波山地の砥石山の運び人」「染物や酒つくりに必要な椿の灰を扱う灰問屋」「刀匠」「レンガ製造」職が30ページ前後の物語行間から彼らの吐息から伝わる生命力、孤独、・・・。
江戸〜明治時代を生きる少年達の多感な心の動き、大人の起ち方の対比が裸形で伝わってくる。
健気なこども達もやがて大概は理不尽な大人に変貌するが、作中の少年のゆく末にいつしかエールと祈りを捧げていた!!

「鉱物」「動物」「植物」、人間は宇宙の一存在に過ぎず一切の万物と等値されるべきという思想や「進化=退化」の相反原理にいきつく悪循環に、いつものようにただ途方にクレルだけであったヨ〜!!