*「昭和初期の地質調査報告書」

 地質学者であった大伯父が記した昭和初期の「地質調査報告書(複写)」が今日送付されてきて驚き、嬉しく、とても有難く、やはりこの事を記しておこうとキーボードの前に座っている。


 この複写文書を製本体裁にし送付して下さった方については、ご迷惑がかかるかもしれないので詳細は書けないが、ある件により思いもよらぬ有難きご教示頂いたご縁によると思え感謝を深くした一日。

 このある地域の「地質調査報告書」は「地形」・「地質総論」・「地質構造」など第六章からなり、顕微鏡30倍の「砂質石灰岩」や「玄武岩」の写真や、周辺地形写真各々に「○○憲兵隊検閲済」と記載され戦前という時代が浮かび上がってくる。


 昨日、京都国立近代美術館で「藤田嗣治展」を観て来た。

 近藤史人著(現NHKエデュケーショナル)『藤田嗣治』モノを一読して鑑賞したこともあるが、「乳白色の肌の謎」調査研究の結果→画布の第一層は膠、第二層は硫酸バリウム、第三層は鉛3対1炭酸カルシウムとのことだが、その事より、私にとり、当時の嗣治の日本画壇での置かれた状況読後でもあり、「戦争画」にとても興味を惹かれ、唸った。


 これだけの藤田嗣治作品群に会すると、余韻嫋嫋「民族考・民俗考」へと、人間が辿る心理のメカニズムが客観的に捉えられ、現代日本で嗣治評価は当時の画壇評価とは大きく違うであろうやと、来館者も藤田嗣治展を一見の価値アリと言う者ありやと首肯く。