*石燈籠

数年前に認知症の母を伴い奈良観光に行く車中でのこと。
母は70年前の女学校時代に修学旅行で奈良市猿沢池前の「魚佐旅館に泊まったことがある」と言い、現地に着くと確かにその旅館が現存していて、後に宿泊予約をした(2年前)


魚佐旅館に着くと、旅館前には「石燈籠」があり、奈良では一番古く150年前から続いている旅館とのこと。
家族的な雰囲気が感じられる旅館であったので、母の修学旅行の話をすると、70年前の木造建築頃の旅館写真のコピーをして下さり、そこには同じ「石燈籠」が写っていた。


母の記憶は、建物も「石燈籠」のページも剥がれ消去されていた。
部屋は興福寺が見える良い部屋に配慮して下さったのではと思われ、お心遣い有難く、母も喜んでくれた1泊小旅行となった。


今日は京都に所用があり、奈良時代起源の伏見稲荷神社に立ち寄った。
これまでに関心薄く行く機会を作らなかったが、233㍍の稲荷山の木漏れ日の中を、2時間周遊すると、朱い鳥居は予想以上の3500本以上という、小さい鳥居を含めると万本数に圧倒され、岩や見事な木々の根っこに力づけられた日となった。


神社内には『おもかる石』というものもあり、願い事をする前に、「石燈籠」の空輪を持ち上げ、思ったより軽ければ願いが叶うという試し石だという。



今月下旬に、母と姉と3人で「恐山」「白神山地」の3泊4日の旅を予約したが、途中、土砂崩れのため、多少プラン変更になったという電話が先ほどあった。


認知症&車椅子だから、本来、極楽を意味していたという「恐山」や「白神山地」のさわりの部分しか見れないが、私は二十年前から「冥土の土産」を大義名分にした母との旅行を時折計画、出たとこ勝負で母娘徘徊珍道中を続けましょうゾ!!


♪♪岩が見れる、岩が見れる、岩が見れるぞ♪♪
♪♪石が見れる、石が見れる、石が見れるぞ♪♪
♪♪根っこが見れる、根っこが見れる、根っこが見れるぞ♪♪