*「ざぶとん病」

私には「ざぶとん病」なる妙な持病がある。
発病したのは今から十数年前。
80年前位?に曾祖母が織った麻布が発端である。


母達孫の為に、種子から蒔き、育ててもらった麻糸で、想いが込められた麻布であるという。
当時は1950年より前なので「大麻禁止法」なるものもなく自由に栽培可能であったとのこと。
孫への想いをこめた麻布を染めと縫製に出し味わいのある『蚊帳』にしたものが、ホコリをかぶった長持ちの中に放置してあり、何れ廃棄すると言われていた代物。
母の着物、帯も廃棄するといい、薄くて小さなお茶席ざぶとんサイズを折々に作って貰ったのが始まり。


そのお店に伺う時は「又、座布団病のお病気が始まりました〜ッ!!」と、布地を持って行く。
そのお店の座布団四隅と中心の糸留めの技が美しく、布2色を配し、デザインの妙を愉しんだり、それらに座る、オブジェとして重ねるなど喜びが湧く。

私は親しい友人知人のお見舞い・お祝いは、(古布ではしないが)「茶席座布団」を届けるという趣味嗜好を押し付ける有難迷惑な贈り物をしてきた。



随分以前に親戚者の『藤原京研究』に同行したことがある。
1300年前、平城京平安京をしのぐ広大な都であったという藤原京
大和三山畝傍山・香具山・耳成山」に囲まれた大極殿土壇に立ったときは、これらが万葉集に詠まれた三山なのかと!!!!

史跡公園内には「持統天皇・・・」と刻まれた石柱があり、都があったのは16年間だというが、歴史に無知ながらこれらの遺構に佇み心遊ばせた想い出。
その親戚者はその後、脳梗塞で闘病するも、今ではペンを持ち、回復めざましく、感謝の念。
その家にも私が届けた小さくて薄い可愛いざぶとんがある。


これを書いていて思い出した〜。
深谷忠記著の推理小説『人麻呂の悲劇』に「山辺赤人柿本人麻呂同一人物説」を面白く読んだことを。