*「力石&磯渡り石」など見聞記

 数年ぶりの東京。


 【其の一】
 東京国立博物館『仏像/一木にこめられた祈り(一木オールスター。百四十余軀)展を観た。
 〜〜円空仏の世界〜〜
 鉈彫り、自然木(立木)そのまま根も切らずウロのまま、彩色・金箔など一切していない物が多く東国的特色であるという。
 私の触角は円空の軌跡を知りたいと願った。


 【其の二】 都営半蔵門線清澄白河」駅から徒歩数分、明治時代に全国から取り寄せた、名石・奇岩を配した『清澄庭園』へ。
 紀伊国屋文左衛門別荘跡地→ 岩崎弥太郎が造園計画→ 大泉水・築山・枯山水は東京都の名勝に指定されているという。
 武州・予州・紀州の青石、伊豆磯石、佐渡赤玉石などなど、想像以上に見事な石の数々、配置の妙奥、敷石・磯渡り石の美しさに感嘆。


 【其の三】 清澄庭園近くの『深川江戸資料館』にて「力石」の事を識る。
当時、「力」は職人の賃金の査定にかかわるものであり、倉庫街で働く人達の余技から始まったとされる、深川の「力持ち」。
 差し上げた石を奉納することも行われ、石質は花崗岩安山岩で人名や重さなどが刻まれた沢山の力石が残っているという。
 満々と水を湛えている隅田川永代橋界隈を、足が浮腫むほど徘徊し、江戸情緒を見つける愉しみへと。


 【其の四】
 他、「虎屋文庫」での、『和菓子アート展』(木の和菓子・和菓紙・・・)や三井タワーに行った折に、関西のテレビで話題になっていた、千疋屋本店の「仙人バナナ」を(後学の為に!?)2本(1本210円)買ってみた。
 西麻布のタイ料理店で夕食。


 【其の五】
 昨日は近くの600㍍級の山野を徘徊。
 鉈彫りのようなガレ石と枯葉を踏みしめた2時間。
 落ち葉吹雪の中、不穏な気分も薄らぎ、カラ元気だけは何とか出てきた。


 自己確認となる、石への念いが更新された数日間。