*M氏を偲ぶ

gakakado2007-04-19

●・・・・・・十数年前に故郷の山から移植した”白花イカリ草”が庭の景色に溶けこみ揺れている。



■・・・・・・四月半ば、故郷は行くところゆくところ、桜、さくら。
城跡石垣遺構に植樹された見事な樹形の老木桜群に敬意を表しつつ、桜下、車椅子の母としばし談笑。
母の曾々々々父・・・は江戸中期、十数代目藩主であったというがその子々孫々は今頃、何百万人か!?
城跡に佇むと権力・服従・優越などの人間心理構造を瞬間、再考するが卑近な事例でも自問自答も含めて、これらの言葉と向き合う日常。
それから車椅子を押しながら街中を徘徊した。



■・・・・・・画家M氏の遺作展が市立美術館で開催された。
私の少女期に家族間交流あったM氏遺作展の新聞記事を見つけたのは認知症の母。
私や姉が所蔵しているM作品はM家より贈られしものと母が購入したものだからか。


それらM萌芽期の10代後半〜20代の作品写真を遺作展実行委員の方にお見せすると、随分画風の違いを感じられたようだった。
遺作展や図録から原色や細密線画作品が多く占めそれらの迫力から、心身の境界領域を漂っていたとも感じられた。
画家であったお父上が彼の意識下にあり自身の可能性を切り開こうとひりひり熱いものが伝わってくるが、我が家のは比較的安定期作品と思える。
クレパス画からも弾力性ある時代を感じM氏の心を大切にしていきたい。

  〜感謝〜合掌〜


■・・・・・・図書館で予約していた『アルゼンチンババア』(吉本ばなな著)を借りてきた。
作中の父親は墓石や庭石を彫る職人設定。
映画『アルゼンチンババア』は観ていないが、ババアには私は舞踏家「大野一雄氏」をイメージした。

M氏より10歳若い「奈良美智」の装画、写真群は嫌調和・小説解体仕立て、装丁もベストセラー作家特権を行使している自在スタイルと思えた。



●・・・・・・不如意の日々、石ころとして生きる知恵を与え給えっ。