*「岩石の神秘・心の神秘」
●■●・・書店でタイトルだけを見て即購入。
『国銅/上下巻』帚木蓬生著。
奈良の東大寺大仏鋳造に関わった銅山採掘夫「国人(くにと)」の物語。
⇒近在の銀銅山跡ズリ地で拾ってきた孔雀石片&庭の「ほたるぶくろ」の花・・。
■●■・・自宅から車で15分距離に東大寺大仏鋳造時に献上したという銀銅山史蹟がある。
私の最多徘徊コースである。
秀吉の埋蔵金伝説でも有名だが火山礫凝灰岩など分布、大露頭に石英脈がある。
また、9〜17世紀対外関係史の人類文化を大きく捉える著書多数の「村井章介著書」から石見銀山の詳述を度々読み、鉱山史にも関心が向いていた。
坑道や施設跡を歩く・学術書の行間から苦役の人々の足おとや鉄鎚の音が聴こえてくる。
●■●・・今年に入り、『閉鎖病棟』『安楽病棟』・・・などの帚木蓬生作品に心取り込まれている。
精神科医でもある著者の、知的埋蔵資源に感嘆、人間の神秘・心の神秘と生命を描く眼差しに導かれて一気読了。
様々なくびきに苦悶・盲心する魂が渦巻く日々、空々寂々へと更新された。
「岩石の神秘・人間の神秘」巨編だと。
『国銅』あとがきにすばらしい解説があり、言語化できない私は書評子になれそうにもない。
「石よ、我に力を与え給え〜っ」
■●■・・映画館、第七藝術劇場で『靖国』『休暇』が連続2本上映中に『休暇』の方が私の中では優先順位上であり、連続で2本見る予定であったが、『靖国』のみで席を立ち、最終日までに『休暇』を見に行こうと思っている。
腰痛をもう少し忍耐すればよかったのだったが。