*「礎石」

gakakado2010-01-21

■●■・・・「小事」に拘うなと言われても私にとっては「大事」。


     ただの円い石だけれど、見ていると心和らぐ・・・⇒


●■●・・・私の子ども期、父は毎晩のように、背中に定規を入れているという形容の姿勢で、アームカバーをつけて 文机に向かっていた。
 その父が、癌の摘出手術後、点滴の都度「左手にして下さい」(家族にはペンを持つ手は困ると言い)、が、ある日、「どちらの腕でも良いです」と。

 家族は父が死を覚悟した!!と病室の空気が微妙に変化した。


 思春期、石部金吉タイプの父に反抗したが、いつのまにか、私もわざわざ、黒のアームカバーを買い、机に向かうことがある。
 年月を経ると、亡父を美化し始めている事に気づき驚くナァ〜。


■●■・・・


(1)・・『流される石のごとく』・・渡辺容子 著 
 厚みある専門知識、取材力を駆使展開し、人間の日常は事程さように、事件に満ち満ちているとフィクションを越えて・・・。


(2)・・『破滅の石だたみ・・町田康

 タイトルの由来は京都に「破滅の石だたみ」という流布された場所からのよう。
 著者の10読でも!!なのに、100読もの読書歴に!!!!


(3)・・『風景』・・後藤竜二
 著者の少年時代・・・石狩の大地での人々の織り成す日常は、読者にも、在りし日の家族の光景を想い巡らせ、人間の哀歓、故郷への帰心、母の「おにぎり」を想いだした・・・。


(4)・・『死刑でいいです・・孤立が生んだ二つの殺人』・・池谷孝司 編著

   ーー少年の再犯防止を考え続けているルポライター


 読後、文中の山地青年の子ども時代体験「屈従・屈辱・屈折・・・」=かじかんだ心(重篤な凍傷)は段階的な温もりの配慮が重要、過去の不足分を取り戻すべく長期にして数倍量の処方と人々の連携が・・・と私は「言うは易し」の言葉しか見つからず、加害者の多くが子ども期は被害者であったことの現実に途方に暮れながら・・・。


 心の回復時間は各ヒストリー共に「反省なき更生」を探り深めることへと・・・。

 さらに更に、被害者及びその家族のケア・サポート・プログラムは専門的知見に基づき体制・態勢が求められるのは言うまでもない!!!!
が、しか〜し、シカ〜シ、人間の関わるところ齟齬が起こり、機能不全に陥り、嗚呼、次々と新たな問題は・・・尽きな〜い!!


  〜〜獰悪な人間などいない〜〜誰もがなれるのだと〜〜
    人間の哀切、人間の心の不可思議・・・・・・。